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2008年2月11日 (月)

白水溜池堰堤

Fi2619994_1e 大分県竹田市次倉
1938 小野安夫

 豊後竹田駅の観光案内所で教えてもらった道を借り出した駅レンタカーでたどって20分くらい、日本一美しいダムという看板に偽りなしの光景が目の前に広がった。車を使わなければ行くのが難しい山中にあるが、それでもわざわざ訪れて損はしない。

 この堰堤は県の土木技師であった小野安夫による設計だが、役人の仕事とは思えないくらいのオリジナリティを持っているのに驚かされる。計算し尽くされたなめらかな傾斜を水がすべりおりると堤の下で水はチョロチョロと表現したくなるほどに穏やかになっている。川底をえぐらぬようにとの狙いが見事に達成されている。左右の岸壁に施されたそれぞれが異なる造形も大変に興味深い。

 大分県内を移動していると非常に多くの石造構造物を目にするのだが、それはこの地区に多くの優秀な石工が存在したことを示している。白水堰堤の築造においてもその技術は如何なく発揮され、彼等の存在なくしては到底このような傑作はうまれなかっただろう。優秀で進取に富んだ技師と石工の高度な職人技の幸せな合体である。

 農業土木施設であるが故にそもそも一般の目に触れることを前提としていないにもかかわらず、きわめて魅力的な姿を見せる白水堰堤。人工物でありながら、その美しさは意図されたものでは無い、もしくは無いように見える。意図的であることが明白な建築ではあり得ない、土木構造物ならではの強度である。

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